親の終活公開: 2026年7月18日

親が元気なうちに聞いておきたいこと12(そのまま使える質問リスト付き)

「元気なうちに、親に聞いておいたほうがいいことがある」。頭ではそう分かっていても、いざとなると何を聞けばいいのか思い浮かばない——そんな方は少なくありません。改まって尋ねるのも気が引けて、つい先延ばしにしてしまうものです。

この記事では、親が元気なうちに聞いておきたいことを12項目にしぼり、暮らしと健康・お金と契約・気持ちと希望の3グループに整理しました。それぞれに「そのまま使える聞き方の例文」を添えているので、会話のきっかけとしてそのまま使えます。全部を一度に聞く必要はありません。気になった項目からひとつずつ、穏やかなときに少しずつ確かめていきましょう。

読みながら、少しずつ整える

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なぜ「元気なうち」に聞いておくのか

聞いておきたいことの多くは、いざというときには本人に確かめられなくなってしまいます。急な入院や体調の変化があったあとでは、かかりつけ医も、加入している保険も、連絡してほしい相手も、家族が手さぐりで探すことになりかねません。

元気なうちに聞いておく何よりの価値は、本人の言葉で、本人の希望を聞けることです。どんな治療を望むか、どんなお別れがいいか、誰に何を譲りたいか——こうした答えは本人にしか分かりません。元気な今だからこそ、落ち着いて、ときには笑いながら話せます。これは終わりの準備というより、これからも安心して過ごすための、前向きな確認です。

聞くときの3つの前提

具体的な項目に入る前に、話しやすくするための心構えを押さえておきましょう。

  • 尋問にしない:質問を並べ立てると、問い詰めているように感じさせてしまいます。答えを急がず、雑談の延長でそっと触れるくらいがちょうどよい距離感です
  • 一度に全部聞かない:12項目を一度に片づけようとしなくて大丈夫です。今日はひとつ、次はふたつ、と小分けにするほうが、正確に、無理なく残せます
  • 自分の話も添える:「私もパスワードをまとめておかなきゃと思って」と自分ごととして切り出すと、指図ではなく共有になり、親も身構えずに応じてくれます

なお、そもそも終活の話をどう切り出すか自体に迷う場合は、声かけのコツを近日公開の記事で詳しくご紹介する予定です。この記事は「何を聞くか」に集中してお届けします。

聞いておきたいこと12項目・一覧

まずは全体像です。気になるところから読み進めてください。

# 項目 そのまま使える聞き方(要約)
かかりつけ医・持病・服薬 「いつもの病院と、飲んでるお薬ってどこかにまとめてある?」
保険の加入先 「もしものとき用に、入ってる保険だけ一覧にしておかない?」
緊急時に連絡してほしい人 「何かあったとき、まず誰に連絡したらいい?」
介護についての希望 「もし手助けが必要になったら、どんなふうにしたい?」
口座がある銀行 「どこの銀行を使ってるか、それだけ教えてもらえる?」
年金の受け取り状況 「年金って、どの口座に入る形になってる?」
不動産・大きな契約 「家や土地の書類って、どこにしまってあるのかな」
サブスク・定期支払い 「毎月払ってるもので、続けてるサービスってある?」
葬儀やお墓の希望 「どんなふうに見送ってほしいか、希望があったら聞かせて」
大切なもの・譲りたいもの 「これは誰かに残したい、っていうものある?」
スマホ・パスワードの在り処 「スマホのロック、家族が困らない形にしておかない?」
これからやりたいこと 「これからやってみたいこと、行きたいところってある?」

A. 暮らしと健康

① かかりつけ医・持病・服薬

急なときにまず必要になるのが、通っている病院と持病、飲んでいる薬の情報です。お薬手帳の置き場所も一緒に確かめておくと安心です。

聞き方の例:「いつも行ってる病院と、飲んでるお薬って、どこかにまとめてある?お薬手帳の場所だけ教えておいてくれる?」

② 保険の加入先

生命保険や医療保険は、加入していても家族が把握していないと手続きにたどりつけません。金額ではなく、どの会社の何という保険に入っているかが分かれば十分です。

聞き方の例:「もしものとき用に、入ってる保険だけ紙に書いておかない?私も自分のを見直したところなんだ」

③ 緊急時に連絡してほしい人

親しい友人や親戚など、家族が知らない大切なつながりは意外と多いものです。名前と連絡先を教えてもらっておきましょう。

聞き方の例:「何かあったとき、まず誰に知らせたらいい?連絡先だけ教えておいてほしいな」

④ 介護についての希望

必要になったときに慌てないよう、どこで、どんなふうに過ごしたいかの希望を聞いておきます。答えが決まっていなくても、話題にしておくだけで十分な一歩です。

聞き方の例:「もし手助けが必要になったら、家がいい?それとも施設も考えておく?今のうちに聞かせて」

B. お金と契約

お金の話は切り出しにくいものですが、聞きたいのは残高ではなく在り処です。いざというときに家族が探せる手がかりを共有する、と考えると気が楽になります。

⑤ 口座がある銀行

まずはどの銀行に口座があるかだけ。通帳やキャッシュカードの置き場所も分かると、後の手続きがぐっと楽になります。

聞き方の例:「どこの銀行を使ってるか、それだけ教えてもらえる?通帳の場所も分かると安心だな」

⑥ 年金の受け取り状況

年金がどの口座に振り込まれているか、ねんきん定期便がどこにあるかを確認しておきます。

聞き方の例:「年金って、どの口座に入る形になってる?お知らせのハガキ、どこにしまってあるのかな」

⑦ 不動産・大きな契約

家や土地、駐車場の契約など、大きな資産や契約に関わる書類のありかを聞いておきます。

聞き方の例:「家や土地の権利証みたいな書類って、どこにまとめてある?」

⑧ サブスク・定期支払い

毎月の定期払いは、本人しか把握していないことが多いものです。動画配信や新聞、アプリなど、続けている支払いを一覧にしておくと、後から整理しやすくなります。

聞き方の例:「毎月払ってるもので、続けてるサービスってある?意外と自分でも忘れがちだよね」

C. 気持ちと希望

⑨ 葬儀やお墓の希望

どんな見送り方がいいか、お墓はどう考えているか。決めつけず、希望があれば聞かせてほしい、という姿勢で尋ねます。

聞き方の例:「どんなふうに見送ってほしいとか、お墓のこととか、希望があったら聞かせてほしいな」

⑩ 大切なもの・譲りたいもの

思い出の品や、誰かに残したいものについて。モノにまつわる物語を聞く時間そのものが、家族にとってかけがえのないものになります。

聞き方の例:「これは○○に残したい、っていうものある?思い出のある品の話、聞いてみたいな」

⑪ スマホ・パスワードの在り処の決め方

スマホやパソコンのロックは、開けられないと写真や連絡先も取り出せません。パスワードそのものを聞き出すというより、いざというとき家族が分かる形にしておく方法を一緒に決めるのがポイントです。書き留めた紙の置き場所を共有しておくだけでも十分です。

聞き方の例:「スマホのロック、もしものとき家族が困らないように、どこかに控えの置き場所だけ決めておかない?」

⑫ これからやりたいこと

最後は、いちばん前向きな質問です。行ってみたい場所、会いたい人、始めてみたい趣味——これからの楽しみを聞くことは、終活が「これからの話」であることを親子で確かめ合う時間になります。

聞き方の例:「これからやってみたいこと、行きたいところってある?よかったら一緒に計画したいな」

聞いた内容の残し方

せっかく聞いても、記憶だけに頼るといざというときに思い出せません。おすすめは二段構えです。まずその場では、手元のメモ帳やスマホにさっと書き留めます。改まってノートを広げると会話が止まってしまうので、この段階は走り書きで構いません。

そのうえで、あとからノートやエンディングノートなど一か所にまとめ直します。親自身が書ける項目は親の字で残してもらい、家族は置き場所を共有しておくと、後から確実に見つけられます。何から書けばよいか迷うときは、エンディングノートの解説も参考になります。

聞くことは一度きりで終わらせず、帰省や誕生日のたびに「その後どう?」と軽く触れていくと、内容も気持ちも少しずつ更新されていきます。具体的に何を備えておけばよいかを整理したい方は、備えのガイド(親)もあわせてご覧ください。

なお、介護や相続、延命治療など、医療・法律に関わる判断が必要な場面では、自己判断せず、医療機関や司法書士・弁護士、自治体の相談窓口など専門家に相談することをおすすめします。

12番目に「これからやりたいこと」を置いたのには理由があります。元気なうちに交わすこれらの会話は、終わりに備えるためだけのものではありません。親のこれまでを知り、これからを一緒に思い描く——そんな穏やかな時間こそが、聞いておくことのいちばんの贈りものなのだと思います。

よくある質問

Q.親に確認しておくことは、何から聞けばいいですか?
まずは急ぎのときに役立つ「かかりつけ医と持病・服薬」「緊急時に連絡してほしい人」あたりから聞くのがおすすめです。命や連絡に直結する情報ほど、元気なうちに共有しておくと安心につながります。お金や気持ちの話は、そのあと少しずつで構いません。
Q.一度にまとめて全部聞いてもいいですか?
一度に全部を聞こうとすると、問い詰めているように感じさせてしまうことがあります。今日は連絡先だけ、次回は保険だけ、とテーマを小さく分けて何回かに分けるほうが、お互いに負担が少なく、内容も正確に残せます。
Q.銀行や年金など、お金のことは聞きにくいのですが。
金額そのものを聞き出す必要はありません。大切なのは「どの銀行に口座があるか」「年金はどう受け取っているか」といった、いざというときに家族が探せる手がかりです。残高ではなく在り処を共有する、と考えると切り出しやすくなります。
Q.聞いた内容はどこに残しておけばいいですか?
その場では手元のメモやスマホに書き留め、あとからノートやエンディングノートなど一か所にまとめておくのがおすすめです。親自身が書ける項目は親に書いてもらい、置き場所だけ家族で共有しておくと、後から確実に見つけられます。

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